ブレゲ・シール

ブレゲのマニュファクチュール創業250周年は、装飾面、技術面、そして倫理面における同社の長年にわたる卓越した伝統を称える機会となります。それぞれの時計に注がれる妥協のない丁寧な仕事は、ブレゲが守り続けてきた遺産そのものであり、この精神を保護するために社内規定が定められました。その象徴として、新たなタイムピースには「ブレゲ・シール(Breguet Seal)」と呼ばれる刻印が施されます。

この目的のもと、マニュファクチュールのチームは明確な仕様書を策定しました。この認証は3つの柱によって支えられています。第一に、部品の品質、職人技、メティエダール(伝統工芸)の保護。 第二に、高いクロノメトリー性能と技術的優秀性。そして第三に、製造全体における倫理的姿勢です。ブレゲ・シールは、完成した時計のケース部分とブレスレットのバックルに刻まれます

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ブレゲの価値観と響き合う刻印

この刻印は、伝統的な職人技と最新技術の繊細な調和を象徴しています。それはブレゲの創業理念を忠実に受け継ぎながら、真正性、最高の品質、そして完璧な性能を保証します。 すべてのディテールが明確な基準と厳格な規律のもとで緻密に仕上げられ、ブレゲの時計としての絶対的な完成度を約束します。ブレゲ・シールの使命は、すべてのブレゲの時計がこの理念のもとで製作されていることを正式に証明することです。この取り組みは、メゾン創業250周年という節目において導入され、ブレゲの価値そのものを体現するものとなっています。

ブレゲ・シールの考え方は、専任の内部委員会を中心に、ブレゲの時計を支える真正性・美・品質という価値を結集させるものです。これらはブレゲの文化と時計製造の遺産の根幹をなす要素であり、「部品の品質」「性能」「倫理」という3つの柱にまとめられています。

美的調和

ブレゲ・シールは、まず時計の仕上げの美しさを保証します。それは単に装飾の精緻さを意味するだけでなく、それがどのように実現され、全体としてどのようなデザインの一貫性を保っているかをも示すものです。繊細な装飾模様の誕生、エナメルを溶かすための温度管理、ギヨシェ彫り職人や彫刻師の確かな手の動きによる完璧な彫り。これらすべての作業は、明確に定められた原則に従い、時計全体の中で一貫した調和をもって初めて意味を成します。複雑なムーブメントの装飾には、経験と技巧、そして既存の枠を超えて発想する創造力が必要です。 こうした仕上げは、厳格な社内基準に従い、専任の「刻印委員会」の監督のもとで行われます。ブレゲの職人たちは、ギヨシェ彫り、伝統的なセッティング、エナメル装飾、彫刻など、メゾンを象徴する仕上げをすべて手作業で施しています。

委員会は、ブレゲ・シールの基準を定め、適用し、進化させる責務を担い、また各モデルが基準を満たしているかを最終的に判断します。この刻印を冠した時計はすべて、構想、開発、製造のすべての段階においてブレゲの時計芸術を最高の形で表現していることを保証します。

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技術的卓越性

ブレゲ・シールはまた、時計の性能面でのレベルを証明します。個別の番号を持つすべての時計は、製作の各段階で検査され、最終検査で認証を受けます。性能評価には、クロノメトリー精度、耐磁性能、防水性能が含まれ、グラン・ソヌリ、ミニッツリピーター、アラームなどの音響機構についても厳格な基準が定められています。クロノメトリー性能は、創業以来ブレゲの中心的なテーマです。 創業者アブラアン-ルイ・ブレゲは、すでに当時、時計を「民生用」と「科学用」に分類していました。この伝統を継承しつつ、ブレゲは250周年を機に、その分類を現代的に再定義しました。

· Scientifique(科学用):日差 ±1秒

· Civile & Sport(民生・スポーツ用):日差 ±2秒

· Soirée & Joaillerie(イブニング・ジュエリー用):日差 -2〜+6秒

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これらの精度は製造過程を通じて測定され、クロノメトリーの安定性が保証されます。さらにブレゲは、最終検査における耐磁基準を強化しました。新たな内部基準では、NIHS 90-10規格の10倍の磁場に耐え、残留誤差を従来の3分の1以下に抑えることを求めています。この基準は段階的に全ムーブメントに適用され、ニコラス G. ハイエック氏が20年前に掲げた「シリコン製耐磁部品の導入」という理念を継承・発展させるものです。

防水性能も各モデルごとに空気・水双方で個別にテストされ、日常使用においても時計がその品質を維持できることを保証しています。

倫理を核とした取り組み

ブレゲは常に、倫理的かつ持続可能な時計製造を重視してきました。ブレゲ・シールは、すべての部品が高級時計製造における最高水準の基準に基づいて製作されていることを証明します。ブレゲは、伝統的な時計製造技術の発展と継承を支えるリーダー的存在として、手仕事の価値、職人および芸術家の技を称え、「美しいものを正しくつくる」という倫理を守り続けています。とりわけ、ブレゲのDNAの中核をなすギヨシェ彫りの技術は、歴史的な機械の修復と再構築、そして専門職人の育成を通じて受け継がれています。ギヨシェ職人およびマスター職人を育てるための社内研修プログラムも設けられ、技能の継承が体系的に行われています。また、古い時計作品の保存・修復、エナメル装飾、宝石セッティング、彫刻など、メティエダールの技法もすべて手作業によってのみ完成されます。 ブレゲ・シールの本質は、こうした最高峰の職人技とその継承を讃えることにあります。倫理的側面として、ブレゲは現行モデルだけでなく、過去の時計についても適切なメンテナンスを行える専門家を育成しています。ブレゲは自社の時計を生涯にわたって修理可能とすることを保証し、これを「持続可能性」の核心に位置づけています。

さらに、ブレゲは環境・社会・経済の各側面にも配慮し、サプライチェーン全体において同じ高い基準を求めています。

Breguet Restauration

時計のケースとバックルを構成するすべての部品は、完全にスイス国内で製造されています。マニュファクチュールの歴史的なアーカイブにも示されているように、トレーサビリティ(履歴管理)はブレゲの根幹にある価値の一つであり、当然のようにブレゲ・シールにも組み込まれています。クロノメトリー性能、素材調達、製造に関するデータは、マニュファクチュールの無形資産として蓄積され、ブレゲの各タイムピースがいかに深い配慮と情熱をもって作られているかを証するものです。

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